イスラームとの出会い 入信への道のり その5

#イスラーム#アッラー#ムハンマド#同時多発テロ#世界貿易センタービル#ケバブさて、大学を中退した私が次に目指したのは農業だった。土をいじるのも動植物を育てるのも好きだったからだ。家庭菜園程の事しかわからず、どうしたらいいのか分からないので某県の農業大学校に入学。

そこでまたカルチャーショックを味わうことになる。校風も学生も名古屋とは全然違うので友達ができるまでに随分時間がかかった。

孤独だったので以前にもまして本の虫になり、農業の勉強の傍ら、市の図書館へ通ったり本屋を巡ってイスラーム関連書籍を読み漁った。
恐らくそんな事をしていたのはこの学校でも私くらいなものだったのだろう。

そうしてしばらくすると友達もできて学校生活にも馴染んできた。大学を中退したとはいえ、それなりの学力を身に着けていたので、基礎教養科目では本領を発揮し、人にも勉強教えたりしたものだった。

一方のイスラーム学習では、ますます傾倒していき、私の心を強く捉えつつあった。本だけでは飽き足らず、当時ようやく一般化しつつあったインターネットでも調べまくり、日本にもマスジド(モスク)があることが分かると実際に足を運んでみたりもし、日本人ムスリムにも何人か出会った。

ところが2001年9月11日、世界を震撼させる大事件が起きた。そう。世界貿易センタービルに飛行機が突っ込むという同時多発テロだった。
イスラム過激派組織の犯行とされるこの事件は私自身にも大きなショックだった。しかし、今まで実際に出会ったムスリムは皆、非常に穏やかで親切だったし、テロリストとは程遠い人達だった。それに私はシャハーダ(信仰告白)こそしていないものの、もう事実上アッラーの他に神いないこともムハンマドアッラー使徒であることもすでに信じており、事実上ムスリムだった。

しかしそれを正式表明することを考えたら空恐ろしくなった。

今改宗したら周りからはどう思われるだろうか? 

テロリスト呼ばわりされるかも知れない。

第一、大酒飲みで豚肉大好きときた。止める事も未練があった。

一体どうしたらいいんだ!?

それから半年以上も悶々と悩み続けた。

そして農大卒業後、最後のひと押しをしてくれたのは模範的なムスリムどころか、お世辞にも真面目とは言えないムスリムだった。

酒を飲み歩き、イラン人が経営するケバブショップ兼居酒屋でケバブを食べながらイスラームについて聞いてみた。

そうしたら彼は酒を売るばかりか自分でも飲んで、チャーシュー麺や豚骨ラーメンが大好き。当然礼拝などするはずもない。

そんな彼を見て、今の自分と同じレベルなんだと思い、ここからスタートもありかと肩の力が抜けてようやく決心がついた。

間もなくマスジドに行き、礼拝に来ていた人にムスリムになりたい、イスラームに入れてくれと頼み込んだ。

もちろん彼は『アルハムドリッラー(アッラーに讃えあれ)』と大喜びして、他の信徒たちとともに証人となってくれて2002年6月2日、私はめでたくイスラームに改宗した。

以上ここまでが私のイスラーム改宗までの物語である。

この後、様々な出会い、勉強、度重なる試練や危機。ドラマチックな物語が展開することになった。

その話も機会があればいずれすることとしよう。インシャラー。

最後まで読んでくださりありがとうございました。