211系0番代の思い出

名古屋の211系といえば中央西線ロングシート車の5000番代が有名だけど、これも外せない。

1988年に登場した5000番代より前、国鉄分割民営化が目前に迫った1986年に東海道本線名古屋口に2編成のみひっそりと登場した。

外見は5000番代そっくりで性能もほぼ同じだがいくつか違いがある

1) 5000番代はロングシート、0萬代はセミクロスシート

2) 5000番代は助手席側フロントガラスが大きいが0番代は小さい。

3) 屋根上のクーラーは5000番代は箱型のインバータクーラーを車両1両につき2台、0番代はカマボコ型の大きなクーラーを1両につき1台搭載している。

4) 5000番代の補助電源装置(車内照明や制御回路などに供給する低圧の交流電源)は静止型インバータだが、0番代はブラシレスMG(インバータ制御による電動発電機)で回転部分を持つ。

5)5000番代と0番代では排障器(先頭車運転台側下部に付いている台車や床下機器を保護する装置)の形状が異なる。

6)運転台はどちらもデスクタイプ2ハンドルだが、5000番代は黒色、0番代は暗緑色。

7)その他。 

5000番代はドアの内張りはメラミン化粧板、0番代はステンレス板。

5000番代はトイレに窓はないが、0番代は楕円形の小窓がある。

5000番代の荷棚はステンレスパイプ製、0番代は金網

0番代の妻面貫通引き戸のガラスにはワイヤーが入っているが5000番代にはそれがない。

 

東海道本線名古屋口ではレアな存在で僕も数回しか乗ったことがない。昔は東海道本線にも5000番代が居たので紛れて余計に目立たなかった。

それだけに当たると嬉しかった。

1999年に東海道本線313系0番代や5000番代が投入されると一時的に0番代は中央西線に乗り入れていた。5000番代や311系313系との併結運転も見られた。

東海道本線名古屋口から211系5000番代が中央西線東海道本線静岡地区に移転して居なくなると0番代は目立つ存在となった。

さらにブレーキ増圧して台車にもヨーダンパが取り付けられて120km/h運転にも対応。

晩年には関西本線で余生を送るようになった。

そして、今年3月、211系0番代はひっそりと引退し、浜松工場に回送されて解体された。

こうして、JR東海最後の国鉄型車両は姿を消した。

今までありがとう!